お気に入りや特別な食器はお客様用にしている方が多いかもしれませんが、私は普段の食事の時に、それらを使うようにしています。そもそも自分の家にあるもので忘れ去ってしまうものがあるのはとても悲しいことなので、ちゃんと愛してあげられるものだけを置いておきたいということでもあります。そして使われるために作られたものは、使われて初めてその美しさを発揮すると思いますし、普段から食器等を丁寧に扱うということは、女性が優雅さを自然に身に付ける上でも、最も有効なことだと思います。食器も使い込まれていくと、どんどん味わい深くなっていきますよね。茶道の世界ではそうした味わいを「景色」と呼びます。一服いただいた後、亭主が愛着をもって使い込んできた大切なお茶わんを、こちらも丁寧に扱い、その景色を眺めて時の流れを感じたりするんです。やはりもったいないから使えないのではなく、使わないのはもったいない、なのではないでしょうか。